「なんかデザインがチープに見える」という悩み、フォントが原因のことが多いです。逆に言えば、フォント選びを変えるだけでガラッと印象が変わります。でも種類が多すぎてどれを使えばいいのかわからない、というのもよくある話で。今回は、迷いを減らすための考え方を整理してみました。
まずフォントの基本分類を把握する
フォントは大きく4種類に分けられます。
| 分類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 明朝体 | 横線が細く、縦線が太い。ウロコあり | 本文・高級感・和の雰囲気 |
| ゴシック体 | 均一な太さ。シンプルで読みやすい | 見出し・UIテキスト・モダンな印象 |
| セリフ(欧文) | 明朝体に近い。端にウロコがある | 欧文本文・クラシカルな印象 |
| サンセリフ(欧文) | ゴシック体に近い。装飾なし | 欧文見出し・現代的なデザイン |
NOTE
「明朝は読みやすい」と言われますが、それは紙の本文サイズ(9〜12pt)での話です。スマホ画面や小さい文字ではゴシックのほうが視認性が高いことが多いので、媒体によって使い分けるのが正解です。
フォント選びで最初に考えること
1. 媒体は紙かWebか
印刷物なら明朝体もゴシックも選択肢に入りますが、Webや画面表示が主な場合はゴシック系のほうが読みやすいです。明朝の細い線がディスプレイで潰れてしまうことがあるためです。
2. どんな「印象」を伝えたいか
フォントには性格があります。たとえば:
- 信頼・真面目さ → 游ゴシック、ヒラギノ角ゴ
- 高級・品格 → 游明朝、ヒラギノ明朝、Didot(欧文)
- カジュアル・親しみ → UD系フォント、Rounded系
- モダン・スタイリッシュ → Helvetica Neue、Futura(欧文)
フォント選びは「このブランドはどんな人格か」を考えると選びやすくなります。人物像が浮かんだら、その人が使いそうなフォントを当てはめるイメージです。
3. 本文に使うか、見出しに使うか
見出し用と本文用は別で考えたほうがうまくいきます。見出しは個性を出せますが、本文は「読みやすさ最優先」が基本です。
現場でよく使う定番フォント
日本語
| フォント名 | 特徴 | 用途例 |
|---|---|---|
| ヒラギノ角ゴ | macOSに標準搭載。品があって汎用性が高い | 見出し・本文全般 |
| 游ゴシック | 細めで上品。Windowsにも搭載 | テキスト中心のデザイン |
| 游明朝 | 落ち着いた明朝体。可読性が高い | 本文・エディトリアル |
| Noto Sans JP | GoogleのWebフォント。無料で使える | Webデザイン・アプリ |
| 源ノ明朝 | Adobe × Google共同開発。無料 | 本文・高品質な印刷物 |
欧文
| フォント名 | 特徴 | 用途例 |
|---|---|---|
| Helvetica Neue | 業界標準。シンプルで汎用性抜群 | ロゴ・UI・見出し |
| Futura | 幾何学的でモダン | ポスター・ブランドデザイン |
| Garamond | クラシカルなセリフ体 | 欧文本文・高級感のある印刷物 |
| Inter | Web用途に最適化。無料 | Webアプリ・UIデザイン |
フォントの組み合わせ方
複数のフォントを使う場合、覚えておきたいルールは1つだけです。
「コントラストをつける」
似た雰囲気のフォントを2つ使っても区別がつかず、まとまりのない印象になってしまいます。見出しと本文でゴシック×明朝、太さで太×細、と対比させるとうまくいきやすいです。
NOTE
使うフォントの種類は原則2〜3つまで。多くなるほどまとまりが崩れます。迷ったら「見出し用1種 + 本文用1種」から始めてみてください。
フォントと文字サイズの関係
フォントを選んだら、サイズのバランスも大切です。見出しと本文のサイズに「差」がないと、メリハリのないデザインになってしまいます。
黄金比(1:1.618)を使ってサイズ比を設計する方法もあります。たとえば本文10ptなら見出しは16pt前後が心地よい比率です。→ 黄金比率計算ツールの使い方もあわせて参考にしてみてください。
まとめ
フォントは「なんとなく」ではなく、媒体・印象・用途で選ぶと迷いがなくなります。
- 媒体で絞る
紙なら明朝もアリ、画面ならゴシック系が読みやすい
- 印象で選ぶ
ブランドの人格をイメージしてフォントを当てはめる
- 組み合わせはコントラスト
見出しと本文は対比させると締まる
最初は定番フォントを使い回すだけで十分です。慣れてきたら少しずつ個性のあるフォントに挑戦してみてください。