台割とは?冊子制作で必ず必要なページ構成の基本

「台割って何ですか?」と聞かれたら、冊子のページ構成をまとめた設計図と答えています。冊子やパンフレットを作るとき、最初に台割を作るかどうかで、後の制作がまったく変わってきます。

デザイナーになりたての頃、台割を作らずにいきなりInDesignでレイアウトを始めて、途中でページが足りないことに気づいた——そういう経験をした人、意外と多いんじゃないかと思います。私もそのひとりでした。

台割とは何か

台割(だいわり)とは、冊子の全ページの構成を一覧でまとめた表のことです。「どのページに何が入るか」を整理するための設計図で、制作が始まる前に作ります。

印刷業界では昔から使われてきた言葉で、もともとは「台紙を割る」という製本工程から来ています。ページを折って重ねると決まった順番になる——その順番を管理するために台割が生まれました。

台割のイメージ

「表紙・P1:ごあいさつ / P2〜3:サービス紹介 / P4〜5:事例 / P6〜7:料金表 / P8:会社情報・裏表紙」
——このような一覧が台割です。

パンフレット、会社案内、ZINEや同人誌、学校の文集、製品カタログ——ページ数のある冊子を作るときはすべて台割が必要になります。逆に言えば、台割なしで冊子制作を始めるのはかなりリスクが高いです。

なぜ台割が必要なのか

台割を作る理由は大きく3つあります。

① ページ数のミスを防げる

冊子は「4の倍数」でページ数が決まります(中綴じの場合は特に)。8ページ、12ページ、16ページ……台割があれば、コンテンツ量とページ数のバランスを事前に確認できます。 レイアウトが半分終わったところで「あと2ページ足りない」に気づくのは、かなりしんどいです。

② クライアントとの認識合わせができる

台割はデザイナーだけでなく、クライアントにも共有します。どのページに何の情報が入るかを合意しておくことで、「ここにこんなことが書いてあると思ってた」という後からのズレを防げます。 簡単なPDFや表にして見せるだけでも、打ち合わせの質がぐっと上がります。

③ 制作の進行管理ができる

「P4〜5のデザイン完了、P6〜7は素材待ち」のように、ページごとの進行状況を管理できます。複数人で制作するときや、納期が複数ある案件では特に重要です。

台割は「設計図」であり「進行表」でもある。この2つの役割があるから、制作の最初に作る価値がある。

台割に書く項目

台割に決まったフォーマットはありませんが、現場でよく使う項目を紹介します。

項目 内容・補足
ページ番号 通し番号。表紙・裏表紙の扱いも明記しておく
ページ内容 そのページに何が入るか。「会社概要」「商品A紹介」など
進行状況 未着手・制作中・完成・確認待ちなど
担当者 複数人での制作時に誰が担当するか
素材の有無 写真・テキスト原稿がそろっているか
備考・メモ クライアントからの指示や注意点など

小規模な制作(8ページ以下)なら、ページ番号・内容・進行状況の3列だけでも十分です。案件の規模に合わせてシンプルにするのが長続きするコツです。

実際の作り方・手順

台割を作る手順は、だいたい以下の流れになります。

Step 1:総ページ数を決める

まずコンテンツ量から総ページ数の目安を立てます。中綴じなら4の倍数、無線綴じは4の倍数でなくてもOKですが、印刷コストを考えると偶数にしておくのが無難です。

Step 2:大きなブロックで分ける

「表紙まわり」「会社紹介」「サービス詳細」「事例」「アクセス・連絡先」のように、大まかなセクションに分けます。このとき、各セクションに何ページ割くかをざっくり決めます。

Step 3:ページ単位に落とし込む

セクションが決まったら、1ページずつ内容を書き込んでいきます。見開き(見開き2ページ)で考える習慣をつけると、実際のレイアウトイメージと一致しやすくなります。

現場のコツ

最初から完璧に埋めようとしなくていいです。「ここはまだ未定」でOK。むしろ、未定箇所を早めに見つけてクライアントに確認を取る方が大事です。

Step 4:クライアントと共有・合意する

台割を共有して、「この構成でいいですか?」と確認します。このタイミングでの修正は工数ゼロ。レイアウト後の修正は工数が一気に跳ね上がります。

折丁とは?ページ数との関係

台割を作るうえで避けて通れないのが折丁(おりちょう)という概念です。冊子のページ数を決めるときに「4の倍数じゃないとダメ」という話をよく聞きますが、その理由が折丁にあります。

折丁とは、印刷した用紙を折りたたんでできる「ひとまとまりのページ単位」のことです。A4の用紙を1枚二つ折りにすると4ページ分になります。これが1折丁。つまり冊子は、この折丁を重ねて綴じたものです。折丁と深く関わる面付けの仕組みについても、あわせて確認しておくと入稿前の理解が深まります。

折丁の基本

用紙1枚 = 4ページ(表裏2面 × 二つ折り)。8ページの冊子なら折丁2枚、16ページなら4枚。中綴じはこの単位でしか作れないため、ページ数が4の倍数でないと白紙ページが生まれます。

中綴じと無線綴じで変わるルール

中綴じ(ホチキスで真ん中を留めるやつ)は、折丁をそのまま重ねて綴じる製本方式なので、ページ数は必ず4の倍数になります。12ページ・16ページ・20ページなど。10ページや14ページは作れません。

無線綴じ(背を糊で固めるやつ、文庫本や雑誌の多く)は比較的自由で、偶数ページであれば作れます。ただし印刷所によっては4の倍数を推奨しているところもあるので、発注前に確認するのが安心です。

台割を作り始めるときは、まず「中綴じか無線綴じか」を確認してからページ数を決める習慣をつけると、後から「ページが余った/足りない」というトラブルを防げます。

よくある失敗と対策

  • ページ数が4の倍数になっていない(中綴じの場合)早めにページ数を確定させ、増減が出た場合の調整ページ(広告枠や白紙ページ)を想定しておく
  • 表紙・裏表紙のページ番号カウントが曖昧「表紙はP1に含む」か「本文のP1は表紙の次」かをクライアントと最初に合意しておく
  • 素材の入稿待ちで一部ページが止まる台割に「素材入稿期限」の列を加え、制作スケジュールと連動させる
  • 途中でコンテンツが増えてページが足りなくなるページ数に1〜2ページの余裕を持たせておく。または増ページの追加費用を見積もりに含める
  • 台割を作ったが更新されず古くなる制作の進行に合わせてこまめに更新する。更新日付を明記しておくと混乱を防げる

デジタルで台割を管理する

台割の管理には、ExcelやGoogleスプレッドシートを使うのが一般的です。ただ、テンプレートを自分で作るのが面倒だったり、共有するときに書式が崩れたりすることも多いです。

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ExcelやGoogleスプレッドシートが手元にない環境でも、ブラウザさえあれば使えるので、打ち合わせ先でその場で台割を作り始めることもできます。

まとめ

台割は「設計図」であり「進行表」でもある。
制作の最初に作るだけで、後の仕事が大きく変わる。

  1. 台割 = 冊子の全ページ構成をまとめた設計図

    どのページに何が入るかを一覧で整理したもの。制作前に必ず作る。

  2. 3つの役割:ミス防止・認識合わせ・進行管理

    この3つが揃うから、制作開始前に作る価値がある。

  3. 最小構成は「番号・内容・進行状況」の3列

    小規模な案件はシンプルにする方が長続きする。

  4. 大きなブロック → ページ単位の順で作ると迷わない

    一気に全部埋めようとしない。未定箇所はそのままでOK。

  5. クライアントと共有・合意して初めて機能する

    デザイナーだけの設計図に留めず、プロジェクト全体の共通言語にする。

台割は地味な作業に見えますが、制作を円滑に進めるための一番の近道です。冊子制作の最初に必ず作る習慣をつけておくと、後から助かる場面が必ず来ます。台割が完成したら、入稿前には印刷入稿前チェックリストで最終確認をする習慣もつけておきましょう。

jun

グラフィックデザイナー歴8年。印刷・広告・パッケージを中心に活動。制作現場で感じた「ちょっとした不便」を解消するツールを作り、このサイトで公開しています。