「薄すぎ・厚すぎ」で後悔しない。紙の厚さ(坪量)選びの基本

印刷物が届いたとき、「なんかペラペラだな…」とか逆に「ちょっと分厚すぎて折れない」と思ったことはないだろうか。紙の厚さの選択ミスは、見た目のクオリティと機能性の両方に直結する。しかも入稿後は基本やり直しが効かない。

この記事では、紙の厚さを表す「坪量」の読み方と、印刷物ごとの選び方の基本を整理する。

「坪量」とは何か

紙の厚さは「坪量(つぼりょう)」という単位で表される。1平方メートルあたりの用紙の重さ(g/m²)がその数値だ。

  • 数値が小さい → 薄い紙
  • 数値が大きい → 厚い紙

たとえばオフィスのコピー用紙は約64〜80g/m²。チラシや冊子本文でよく使われるのは90〜110g/m²あたり。名刺や表紙には180〜350g/m²が多い。

NOTE

「斤量(きんりょう)」という単位もある。これは「全紙1000枚の重さ(kg)」を指し、同じ紙でもサイズによって数値が変わるので少しわかりにくい。印刷会社との会話ではどちらも出てくるので覚えておくといい。

用途別・坪量の目安一覧

印刷物 坪量の目安 理由
コピー用紙・メモ64〜80g/m²軽さと枚数が重要
フライヤー・チラシ90〜110g/m²読みやすさと配りやすさのバランス
パンフレット本文110〜135g/m²ある程度の存在感がほしい
冊子の表紙180〜220g/m²本文との差をつけて耐久性を出す
名刺220〜350g/m²手渡し時の「ちゃんとした感」が大事
ポストカード180〜220g/m²郵送に耐える厚さが必要

薄すぎると何が起きるか

チラシを90g/m²以下にすると、裏面が透けて見えることがある。両面印刷で文字がにじんで見えたり、高級感が一気に消えたりする。

冊子の表紙が本文と同じ薄さだと、持ったときに「これ本当に表紙?」という頼りない印象になる。

「安くしたい」という理由で薄い紙に変えると、逆に品質の低さが目立つ。コスト削減するなら部数か色数を見直すほうが賢い。

厚すぎると何が起きるか

逆に厚すぎると、折り加工が難しくなる。三つ折りパンフレットに220g/m²以上を使うと、折り目がひび割れたり、きれいに折れなかったりする。

また、冊子で厚紙を使いすぎると背が膨らんで閉じにくくなる。無線綴じ冊子の本文で135g/m²を超えるのはあまりおすすめしない。

折り加工がある場合は特に注意

折りが入る印刷物(三つ折りチラシ、冊子の表紙など)では、坪量だけでなく「スジ入れ(折り筋加工)」が必要かどうかも確認する。

目安として、135g/m²以上の紙に折りを入れるならスジ入れを検討したほうがいい。これを印刷所に確認せず省略すると、折り目が割れてしまうことがある。

NOTE

スジ入れはオプション加工なので費用が増える。見積もり段階で含めておくこと。

コート紙とマット紙でも印象が変わる

同じ坪量でも、コート紙は光沢があって発色が鮮やか、マット紙はしっとりした質感で高級感が出る。どちらを選ぶかで完成品の印象はかなり違う。

用紙の種類についての詳しい比較はコート紙vsマット紙:質感・発色・用途の違いを現場目線で解説も参考にしてほしい。

まとめ:迷ったときの「ざっくり基準」

坪量の数値と印刷物の目的を照らし合わせれば、ほとんどのケースで正解に近い選択ができる。

  1. チラシ・フライヤー

    90〜110g/m²が無難。両面なら110g/m²以上がおすすめ

  2. 冊子の表紙

    本文より60〜100g/m²は厚くする。存在感が変わる

  3. 名刺・ポストカード

    220g/m²以上。薄い名刺は信頼感に直結する

  4. 折り加工あり

    135g/m²超えはスジ入れを検討。印刷所に相談を

jun

グラフィックデザイナー歴8年。印刷・広告・パッケージを中心に活動。制作現場で感じた「ちょっとした不便」を解消するツールを作り、このサイトで公開しています。