「予算〇〇万円で」と言われたとき——逆算見積もりの考え方と使い方

「予算5万円でお願いしたいんですが」——フリーランスをやっていると、必ず一度はこのセリフに出会います。

通常の見積もりは「工数 × 単価 = 金額」で積み上げていくもの。でも逆算見積もりは、その逆。予算という「答え」から出発して、何ができるかを逆算する考え方です。

逆算見積もりとは

一言で言うと、提示された予算から工数・作業範囲を逆算して提案する見積もり手法のことです。

通常見積もりが「やることリスト → 金額」という流れなら、逆算見積もりは「金額 → やれることリスト」という流れ。

クライアントは予算感を持って相談してくることが多いので、これができると提案がスムーズになります。

なぜ必要なのか

予算提示型の案件は、思っているよりずっと多いです。「相場がわからないから予算で伝えた」というクライアントも多く、金額ベースで話を進める方が合意が早いケースがあります。

逆算できないと、こういう場面で「一度持ち帰って計算します」と言うしかなくなります。その場で方向感を示せるようになると、受注率が変わってきます。

NOTE

「予算内で何ができるか」を提示することで、値引き交渉ではなく「スコープの調整」という話し合いになります。これが大事。

実際の逆算の手順

ステップ1:自分の時給を決める

まず「1時間いくらで働くか」を決めます。フリーランスデザイナーなら時給換算で3,000〜8,000円が一般的な目安(スキル・経験による)。

ステップ2:予算から稼働時間を計算する

> 稼働時間 = 予算 ÷ 時給

たとえば予算5万円・時給5,000円なら、使える時間は10時間。

ステップ3:10時間で何ができるかを考える

  • ヒアリング・方向性確認:1時間
  • デザイン制作:6時間
  • 修正対応(1回):2時間
  • 納品・確認:1時間

合計10時間。「修正1回まで・素材はご支給」という条件つきで提案できます。

「この予算だと修正は1回まで、素材はご用意いただく形になります」と条件を明示するのが逆算見積もりの肝です。あいまいにすると後で揉めます。

逆算見積もりで気をつけること

利益率を確認するのを忘れずに。時給計算だけだと、外注費や経費を忘れがちです。

また、逆算した結果「この予算では請けられない」と判断することも大事な仕事。無理に合わせて赤字になるより、丁重にお断りする方が長い目で見てプラスになります。

NOTE

「予算5万円は厳しいですが、〇〇の部分だけなら対応できます」という部分受注の提案も選択肢のひとつです。

逆算見積もりは「予算から工数を割り出す」考え方。使えると提案の幅が広がる。

  1. 時給を決める

    自分の稼働単価を明確にしておくのが前提

  2. 稼働時間を計算

    予算 ÷ 時給で「使える時間」を出す

  3. 条件を明示する

    修正回数・素材支給など、スコープをセットで伝える

jun

グラフィックデザイナー歴8年。印刷・広告・パッケージを中心に活動。制作現場で感じた「ちょっとした不便」を解消するツールを作り、このサイトで公開しています。